【子どもの心ケア】今までやっていたことをやらなくなる

子どもは大人に褒められることが嬉しく、無意識のうちに大人の期待に応えようと一生懸命頑張っています。

子どもは自分が取り組んでいることを認められることで、自信を持ちます。これは大人も同じかもしれません。

しかし、普段できていることは当たり前ではなく、子どもにとっては一生懸命取り組んだ結果ですので、それを周囲の大人が認めることで、子どもは頑張っている自分を再認識してそれをすることは有意義だと自分自身に言い聞かせています。

なので、一生懸命頑張ってもそれを大人が当たり前のように受け止め、頑張っていることへ気づいてあげ、言葉や態度で示してあげないと、子どもは「どうせやっても褒めてもらえない」とやっていることは無意味だと思いはじめ、今まで取り組んできたことを放棄するようになってしまいます。

それがエスカレートすると、急にわがままを言ったり甘えたりするケースもあります。

大人は子どもの表面に出てきた行動などから、子どもの心の動きをしっかりと察知し、受け止めていくことが心要になってきます。

こういう場合はどう対応する?

事例1:クラスの当番をやりたくないと言い出す

まじめな生徒で、今までは普通にやっていたクラスでの当番などを急にサボったり、やりたくないと言うようになり教師に反抗的な態度をとるようになる。

子どもへの対応

子どもは自分の存在をアピールしています。それに気付き受け止めてあげましょう

大人にもっと自分の方を向いて欲しい、という思いを口では上手く伝えられずに、今までできていた事や授業のルールを破るといった行動を通して、無意識のうちに自分の存在を大人へ訴えています。子どもが取り組んでいることにきちんと関心を向け、小さなことでも褒めて認めてあげましょう。
イライラし不安な思いを抱いている子どもの気持ちを黙って受け止めてあげましょう。
家庭での様子をそれとなく聞き出してみるのも良いかもしれません。得られた情報から子どもの行動の意味が見えてくることがあります。

MEMO

子どもは自分のことを理解してくれる人が、一人でもそばにいてくれるだけで心が救われます。

事例2:お兄ちゃんでしょ!しっかりしなさい!

子ども03

弟や妹など下の兄弟ができてから親の言うことを聞かなくなる。
部屋の片付けをやらなかったり、家庭でのルールを守らなくなる。

子どもへの対応

叱りつけ突き放すのは逆効果です

子どもの心を受け止めてあげることは甘やかしではありません。
急にわがままを言ったり甘えたりする時は、きっと何かに不満を感じているサインです。
じっくり子どもの気持ちを聞くことで、子どもはまたルールを守ろうとし行動に移します。
子どもの心の中の言葉を聞くことは、遠回りのようですが大変重要なことです。
突き放せば子どもは抵抗しますので逆効果です。

MEMO

子どもが行動で訴えている心の動きに気がつき、受け止めてあげましょう。

臨床心理士からのアドバイス

臨床心理士

今まで全く手がかからず、大人の期待にそって頑張ってきた子が、親や教師に急に反抗的になり、今までできていたこともやろうとしなくなったり、甘えてきたりすることがあります。
そんな時、親は今まで良い子だった自分の子とのギャップに戸惑い、子どもの言うことばかり聞き入れていても、甘やかしにつながるのではないかと疑問を感じ不安になるかと思います。

このような子どもの状況は、無意識的に乳幼児期に退行していると考えられます。

焦らなくても大丈夫です。まずは子どもとの時間をしっかりと作り、子どもの心の声をゆっくりと聞き出してあげましょう。

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